(2)日本語訳と結び付けて覚える
市販されている単語集のほとんどが、最初に例に挙げたような「TOEIC730点の英単語」や「頻出TOEIC英単語1000」などのように、英単語と一緒に日本語が書いてある物だと思います。
単語を日本語訳と並列させて詰め込み方式で覚えてしまうそのような単語集は、脳みそにとって単に覚えにくいというだけではなく、と、頭の中に不完全な英和辞書を作ることになってしまうのです。
「英和辞書が頭の中に作れればいいじゃないか。」と思うかもしれませんが、英語学習の目標となる「英語をネイティブの話す速度で理解する」時に、もしその頭の中の英和辞書を使って一単語ずつ検索していたらどうなるでしょう?
それでは、ここでも実験してみましょう。次の文章を英和辞書で一字一句調べて正確に理解してみてください(その際にかかった時間もきちんと計ります)。
さあ、英和辞書と、時計の準備はできたでしょうか、しっかりと時間を計ってくださいね。実際にやってみないと、間違った単語の覚え方がいかに効率が悪いかわかりませんから。
では、よーいスタート!
The language of epidemiology,
the study and prevention of the spread of infectious diseases, is steeped
in the metaphor of blockade.
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さて、何分くらいかかったでしょうか?少なくとも、7〜10個の単語を調べたかもしれませんね。一つの単語を引くのに1分、意味を取るのに1分とすると、たった1行理解するのに15〜20分かかってしまう計算になります。
このように、頭の中で英単語の日本語訳を検索する頭を作っていては、何時までたっても映画のスピードで英語を理解していくことはできないのです。文章を聞きながら、知っている単語が頭の中ですぐ見つかればいいのですが、すぐには思い出せない単語が少しでも出てきたら、そこで思考がストップしてしまいます。
文字の文章を調べているときは、それでも目の前に英語がとどまっていてくれますが、音として飛んでくるリスニングのときはそうはいきません。思考が止まっていては、次々と飛んでくる単語の音か拾えず、結局知っている単語までポトポトと落としてしまうのです。
単語帳で、英単語を日本語と一緒に覚えていく中学校からの単語の覚え方は、知らずにやっていたかもしれませんが、実は覚えにくくてすぐ忘れる、そして、仮に覚えていても使えないという、最悪の覚え方だったのです。私自身中学校、高校と英語を覚えるのに苦労し、6年間勉強した後、たいした単語力が付いていなかったのもうなずけるというものです。
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