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問題集では伸びない英語力
時間を捨てている問題集
英語力を上げるための勉強方法で多くの人が誤解しているのが、英語力を上げるためには「問問題集をたくさん解く必要がある」と考えていることです。
問題集をたくさん解くことで、確かに自分の知らない英語表現を知ったり、自分の弱点をつかんだりすることはできるのですが、問題集を解くことで、本当に英語力をつけることはできるのでしょうか?
実は、英語力を上げるために問題集をたくさん解くことは、やらないよりはましというだけで、実は時間の浪費なのです。もっと効果的に実力を伸ばす方法に限られた時間とエネルギーを注ぎ込んでいかないと、何年経っても目の前の英語力の壁を越えられるようにはなりません。
スポーツでも、バスケットボール選手が、パスやシュート練習、ランニングなどの、実力をつける基礎練習をせずに、ただ、練習試合だけをたくさんこなしていたとしたらどうでしょうか?
その選手は本当にバスケットボールがうまくなるでしょうか?
まずならないでしょう。練習試合は、あくまでもトレーニング全体の中の一部であり、自分の弱点や試合勘をつかむのには適していても、練習試合だけで力がつくわけではないのです。このことを覚えておいてください。
「練習問題(試合)は、現在の自分の力が分かるだけで、力をつけることと直接つながってはいない。」
ですから、もしあなたが練習問題の解説に終始している英語学校に通っていたり、家で練習問題ばかりを受験勉強のように勉強しているのであれば、それらの勉強をやめ、このHPで紹介されている本物の英語力をつけることに、より多くの時間を割いてください。
私が15年前に本当の英語力をつける学習方法を始めてから、問題集を解いたことはほとんどありません。それでも、英語が正しく聴け、速いスピードで英文を読み、言いたいことを自由に表現することができるようになるのです。というか、問題集を解くことで時間を無駄にしなかったので、それらのことができるようになったというべきでしょう。
また、問題集を解くだけの勉強の問題点は、文法中心の学習と同じで「勉強をしたつもり」になってしまうリスクがあるのです。解説を読み「なるほど、ここの正解の理由はこれだったんだ。」と時間をかけて納得してみても、実際にはそれほど実力がつかないのです。
正解を確認し、そこの解説を読む。学校であれば講師が丁寧に教えてくれるのですが、10〜15分に1つのポイントでは、英語全般に関してポイントをつかむのに何十年もかかってしまいます。しかも、そのような講釈として詰め込んだ知識は時間が立てば頭から抜けて出て行ってしまうのです。そんなことでは、実際に英語を使う場面で役に立たず、正しい英語を使うことができません。
また、問題集の学習の流れは、間違えた問題⇒解答・解釈という順番になります。自分が間違えた問題に対して、後手に回って正解を分析しているだけでは、実際の場面では通用しないのです。もし、自分が出会ったことのない表現や単語、構文に出くわしたときは勘で理解するのが落ちでしょう。そのように、枝葉の問題に振り回されるのではなく、幹(本当の英語力)を太くしていき、どんな英語(英文)にも対処できる力をつける方が、一見遠回りに見えて、実は最短距離で目標の英語力を達成することにつながるのです。
また、問題集をやらないことは精神的にも非常にいいです。問題集中心の勉強法は、基本的に「間違えた問題」がメインになります。正解した問題は、正解できるわけですから、当然「なぜ正解になったのか」と学び直すことをしないのです。みんな、自分が間違えた問題に対して「なぜ自分は間違えたのか」と解説を読みます。
しかし、いつも間違えた問題にフォーカスが行きますから、精神的にいつもマイナスなのです。「またここを間違えた」「このタイプの問題は私は間違えやすい」などと、思考回路が無意識のうちにネガティブになり、楽しくないのです。
このような心理ゲームを知っているでしょうか?
グループの中で一人だけ「鬼」を決めます。その「鬼」を部屋の外に出し、残りの人で正解の行動を一つ決めるのです。例えば、「右手を上げる」とか「花瓶を触る」など何でもいいので決めます。そして「鬼」を部屋の中に戻し、その「鬼」はみんなが決めた「ある行動」を当てるとういう心理ゲームです。
その際に、最初は、「鬼」が正解ではない行動をしたときに、つまり、間違えたときに周りで見ている人は、「ブー」とブーイングを浴びせるのです。そうすると間違えた行動をするたびにブーイングが飛んでくるわけですから、しばらくすると、その「鬼」は、正解に行き着く前に身動きができなくなってしまいます。
今度はその反対のルールで行ってみます。「鬼」が正解に近い行動をとったときに、みんなで拍手をするのです。正解が「花瓶に触る」だったとすると、「鬼」が花瓶のそばを通るときに拍手をするのです。そうしていると、「鬼」はだんだんと正解に近い行動をとっていき、最終的に「花瓶に触る」という正解を勝ち取ることができるのです。
つまり、人は「間違い」中心の問題集を解いていると、やる気がうせていき、逆に「正解」中心にしていけば(そんな問題集の解き方をしている人もいなければ、そのような学校・講座もないでしょうが)、どんどんやる気が出てくるのです。
子供を育てるときも同じことがいえるそうです。私にも3人の子供がいるので、子育てに関して関心があり、学んだことがあるのですが、間違えた行動をとったときにばかり叱っていると、だんだんと子供は身動きが取れなくなってしまうそうです。逆に、良い模範的な行動をしたときにほめることをし続けると、その子供はほめられたいがゆえに、「正しい行動」をたくさんしていくようになるそうです。
私も英語のリスニング力が全くなく、1年間英会話を練習したにもかかわらず、映画やラジオの英語が5%くらいしか聴けなかった時期がありました。そのときに「95%も聴けない」とよく落ち込んでいたものですが、あるときに、その「聴けない95%」にフォーカスするのではなく、「聴けた5%」にフォーカスするようになったのです。
すると、英語を聴くことが、挫折感を味わう「嫌な行為」ではなく、以前よりも聴ける音が増えていることを確認する「楽しい行為」へと変わっていったのです。そうすると後は、続ける事が楽になり、どんどんリスニング力がついていったのです。
受験勉強の延長で英語学習をやると、辛くないですか?
私は受験勉強や学校の英語が好きではなかったので、あのような形式で勉強を継続していくことには耐えられないのです。それよりは、生の英語にたくさん触れて、英語を通して驚きや感動を受け、その結果英語の力がついてくるほうが断然楽しいですし、楽しいから続くという良いサイクルが生まれるのです。
ですから、英語力のつかない、ネガティブになりやすい、時間を
捨てている「問題集の勉強」ではなく、楽しく、継続しやすい、時間を有効に使うことができる「正しい英語を身につける学習法」へと学習のベクトルを変えていく事が大切です。
誤解のないように一応書いておきますが、「問題集を一切やってはいけない」というわけではないです。資格試験を受ける前に問題形式に慣れたり、どこが自分の弱点なのかを把握し、実際の学習のバランスを考えたりと、やる意味はあります。
私が言いたいのは、あくまでも、「何のために」問題集をやるのかという部分で、英語力をつけるために問題集を解きまくるのは、実は時間の浪費なのだということを伝えたかったのです。
長期間にわたり、あなたの限られた生活時間を割いて行う英語学習ですから、今現在の勉強が本当に実力をつけることにつながっているのか、手を休めて少し考えてからでも遅くはありません。
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